子どもの造形表現のプロセス 子ども美術文化研究会

子どもの造形表現のプロセス

自然素材との遊びと絵

子ども美術文化研究会(編集)、長谷光城(監修)
A4判 176ページ
定価 2,700円+税
発売日 2022年12月12日
ISBN:978-4-910467-10-8

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内容紹介

乳幼児の遊び、表現活動の参考資料としてご活用ください。
0~5歳児クラスまで発達順に「遊び110例」と「絵画82例」のプロセスを掲載。

・ 園庭の遊びを豊かにする
・ 園庭の環境をつくる(砂・土・水・植物・木・石など)
・ 子どもと表現(造形と絵)を学ぶ

本書は、保育園・こども園の生活における、子どもの遊びとしての自然体験や造形活動、絵の制作活動のプロセスをまとめたものです。子どもの表出や表現にとって大切な自然体験や自然素材との遊びの中で、閃きやアイデアを活かしながら子ども独自の世界をつくり出す造形活動のプロセス、そして、そうした体験を基に、心を解放し主体的イメージを膨らませ生み出す絵のプロセスを紐解くことを試みました。

造形活動であれ、絵の制作であれ、子どもたちは何かを感じることによって表出、表現がスタートしています。そして、表出、表現することによって新たな感情が湧き、より表現を深めていこうとします。子どもたちの表現を深めていく螺旋状の創造プロセスは、子どもたちのいのちが輝くひとときであり、生きる喜びがあふれています。その結果として生み出された世界は、存在感があり迫力があります。

多くの保育、教育の活動においては、造形活動や制作活動は、作品の出来栄えに目が向けられたり、子どもが自らの感性で自由に主体的に表現する環境が十分に用意されなかったりしています。自然体験、自然素材による造形活動、絵の制作等の造形表現のプロセスに注目することによって、子ども独自の表現に気づき、また表現の源にある心と身体を躍動させることの重要性が理解できます。同時にこのことは、今の保育・教育の現場へのするどい問題提起であることに気づかされます。能力の獲得や成果ばかりを重んじ、遊びと生活までもが設定された育ちの目標に向かうための手段となっています。造形表現とそのプロセスに目を向けることは、人間の育ちの基本的なあり様を示し、明らかにします。

目次

なぜプロセスを見るのか まえがきにかえて

基本的な考え方と保育姿勢

遊び=造形活動のプロセス(110例)

触る、見る、ちぎる(落ち葉)
両手で円を描く(砂)
顔までつける(水、砂)
手の跡をつける(土)
なびく葉、感じる風(風、葉)
はがす、裂く(木の皮)
フィンガーペインティング(泥土)
塗る(泥土)
指を刺す、叩く(土)
光と影に自分をみつける(光、影)
積みあげる(土)
登ってすべる(砂山)
ひっぱる、転ぶ、寝転ぶ(木、葉、草)
刺す、折る、立てる(枝、砂)
置く、動かす、並べ替える(石、土)
4つの素材を合体(土、葉っぱ、砂、花)
包む、飾る、並べる(草花 土)
見あげた木の姿が手足を動かす(木、土)
木の幹を土で巻く(土、木)
水の手形を重ねる(水、石)
木の板に炭で描く(炭、木)
太陽のリンゴを食べる(土、空、太陽)
自らの影と踊る(光、影)
塗り広げる(土、屋根)
立てる、並べる、置く(角材、石)
平面の家をつくる(角材、板)
描いた線上に小石を並べる(石)
身体全体で大きく描く(棒、地面)
型を抜く、飾る(砂、竹筒、草花)
井型に積む、石を中に落とす(角材、石)
広がる四角構成、石・砂で強調(板、石、砂)
並べる、重ねる、見立てる(角材)
フィンガーペインティング(泥土)
こねる、重ねる、飾る(水、土)
穴をあける、葉を立てる(土、葉)
影に見る実像(葉、影)
土の造形、葉と木の実の装飾(土、葉、木の実)
土に石を埋め込む、のせる(土、石)
殻斗を線上に並べる(砂、木の実)
竹に土を巻く、板で構成(竹、土、板)
団子を重ねる、集める(土、板、丸太)
立てる、のせる、バランスをとる(木、石)
積みあげる、飾る、祈る(角材、石、土)
砂山に穴。ドングリで飾る(砂、木の実)
橋を渡す(角材、テーブル)
明から暗へ歩む(竹林、洞窟)
支点、力点、作用点(丸太、板、石)
カニの家、自分の家(土、カニ、板)
丸める、円をつくる、囲う(土)
丸める、増やす、数える、飾る(土、葉)
並べて泥でつなぐ(木片、泥)
見立てたオーブンで焼く(木、土、葉)
石で固定、家づくり、装飾(角材、石、草花)
運ぶ、並べる、円の構成(石)
板を埋めて立てる、石で囲う(板、土、石)
木陰の家をつくる(角材、影)
投げる、くっつける、点・線を伸ばす(土、屋根)
水を感じる、抵抗、光、音、冷たさ(川)
虫が加わり住処づくりに(土、虫、草花)
水で描く、木の実で描く(水、木の実、竹筒、板)
並べる、積み重ねる、広げる、構成する(石)
踏む、つくる、一体化する(土、水)
立てかける、重ねる、からめる(木、枝)
盛る、飾る、囲う、覆う(土、石、木、草花)
囲う、掘る、共に広げる(水、砂、土、石)
転がる視点、回る世界(築山)
混ぜる、泡をつくる、使う(水、木の実)
掘る、仕切る、分ける(砂、草、木の実)
凹の型取り、溝に水、制御(土、木、水、砂、草)
家づくり、クッキーづくり(板、土、水)
源流を探りながら(小川、山)
もぐらの住処をつくる、石で守る(砂、石)
浮遊に魅せられて(落ち葉、風、空)
行為・構造の配置・配列(板、土、草花)
地上絵になる(砂)
空に伸びる高さ(枝、空)
構造と体験の再現(土、木の実、落ち葉)
水、流れ、しぶき、音、光(川、滝、太陽)
盛り土の構造、水の台座(土、板、水)
新たな面の創造(石、砂)
広がるレンゲに身と心を委ねる(草花)
開墾、植え付け、灌漑、治水(土、草、水)
ものの色を活かす(容器、水、砂、炭)
二物の面の対比(木材、土、砂)
広がっていく水による異空間(石、土、水)
掘る、入る、埋める(砂、水)
積む、重ねる、層をつくる(板、角材)
柔らかさ、重さ、硬さ(粘土、丸太)
ロックバランシング No.1(石)
鳥とのつながりを求めて(小枝、土、葉)
積みあげる、形づくる、飾る(土、石、木の実、葉)
掘る、つなぐ、穴に水、広げる(土山、水、竹筒)
開かれる視界を求めて(土手、草木)
火をおこす、火を囲む(芋、木、火、煙)
緻密な作業、確かな造形(土、砂)
中心に集約、空に向かう(木、土)
ロックバランシング No.2(石)
集める、飾る、彩る(草花、木の実、水、砂)
藁を積む、藁に埋もれる(田、藁)
落ち葉による異空間(落ち葉)
朽ちた木の皮をむく(古木)
水流の面に働きかける(水、葉、小枝)
カメの住処をつくる(カメ、石、水、板)
重力、慣性、抵抗の装置(板、丸太)
地上絵をつくる(石、土)
壁を建てる、屋根を葺く(角材、板)
水による異空間の創造(角材、土、水)
ダンゴムシの住処をつくる(砂、草花、ダンゴムシ)
家に水をひく(木、土、水)
柱を支点に家を建てる(木、石、藁)

絵の制作のプロセス(82例)

0歳8ヵ月〜6歳4ヵ月

1年間の絵のプロセス

本書までのプロセス あとがきにかえて

著者紹介

子ども美術文化研究会(編)

特定非営利活動法人子ども美術文化研究会。保育改革と創造美育活動に取り組んできた全国各地の保育施設や教育・美術関係者等が2011年に設立。“子ども文化は美術文化”との認識を共有しながら、自然との関わりを重視した自由な環境のもと、子どもを主体とする保育を目指して、遊び=造形活動と絵の制作活動に積極的に取り組んでいる。

長谷光城(監)

1943年生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。現代美術作家として活動し、第5回北美大賞、第16回現代日本美術展大賞を受賞。福井県で小中高の教員として勤務、県立高校長、県教育審議監を歴任。「小浜美育の会」結成以来、子どもの美術を研究。本書のテキストの執筆を担当。

本の注文について